2015年1月6日火曜日

1月6日

2015年がはじまった。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
少しでも深い呼吸ができる、この1年にしたいと心から思います。
新しい年を迎えるたびに、「あけまして おめでとう」と言えなくなって、
4度目の年のはじめ。
3・11以降、どうしても「あけまして、おめでとうございます」を素直に言えない
わたしがいる。

去年もいろいろなことがあり過ぎるぐらいに、あった。
7月には集団的自衛権の、姑息な閣議決定。

連続した土砂災害、御嶽山の噴火、
沖縄知事選(「オール沖縄」がいかに勝利を手にできたか、「朝の教室」でもいつか講師を
お迎えしたいと計画している)、
長野県北信地方の地震、そして、あれだけの争点を有しながら「経済」という言葉に
くるりとラッピングされてしまった解散総選挙。
そして特定秘密保護法の施行。暮れには各地が大雪に見舞われている。
ひとりひとりの市民の「小さな声」が、ますます周辺に追いやられる時代が到来している。

2015年1月17日(土)55回目を迎える「朝の教室」の講師は、脚本家で作家の
ジェームス三木さん。
映像でもたくさんの作品に、わたしたちは接してきた。
『けものみち』、『澪つくし』、『父の詫び状』、『存在の深き眠り』、『憲法はまだか』等々。
ジェームス三木さんにご講演をお願いしたいと考えたのは、暮れの選挙直前に新聞に掲載された、総選挙を前にしたインタビュー記事からだった。

平和と人権を軸に、最後まで諦めない、と述べられた言葉がとても心に響いたからだ。
1935年旧満州奉天で生まれておられるから、今年80歳になられずはず。
2013年には映画『渡されたバトン さよなら原発』の脚本を書かれている。
舞台の『真珠の首飾り』は、日本国憲法の起草にかかわられた
ベアテ・シロタ・ゴードンさんを主役にした物語だ。
ベアテさんは2012年12月に亡くなったが、来日されるたびにお目にかかってきた。
そのベアテさんと土井たか子さんたちとご一緒に、5月のとてもよく晴れた
気持ちのいい午後、クレヨンハウスのアウトテリアで遅いランチをご一緒して、
憲法について話し合った日々を思い出す。
土井さんも、もういらっしゃらない。

ジェームス三木さんが脚本を書かれた『真珠の首飾り』の中で、
ベアテさんに扮した女性は次のように語っていたはずだ。
記憶で書いているので、細部については自信がないが(と、威張っちゃいけない)。
……もしもわたしが、日本国憲法だったら、たぶんこう言うに違いない。どうかわたしをお払い箱にしないでください。どうか私を守ってください。それを決めるのは、日本の国民です。主権をもったあなたです……。

『真珠の首飾り』というとわたしはグレン・ミラー・オーケストラの、あの懐かしい曲を思い出すが、ジェームス三木さんは憲法を「108粒の真珠になぞらえた」とどこかで
書いておられたか話をしておられた。