2012年3月16日金曜日

3月16日

16日
昨日は講演がふたつあり、帰宅したら、ぐったり。
ブログを書かずに、寝てしまった。
反省。
そして今日、3月16日。
午後から東京を離れている。
昨夜、爆睡したせいか、とても身体が軽い。
体重の話ではない。
身体が軽いと、気持ちも少しだけ軽くなる。
現実のこの社会を考えると、失望のみが多かりき、気持ちも晴れないのだが。
 
アメリカにリナ・ホーン(レナという表記もある)という女性ジャズボーカリストがいた。映画でも活躍した凛々しくもうつくしい女性だ。
彼女のことは、ブログに書いた?
めっきり記憶力減退。
もし書いていたら、失礼。
とにかく大好きな、ボーカルストだ。

アフリカ系アメリカ人である彼女は、10代のときから、あのコットンクラブ(コッポラが映画化した)で、「僅かな布きれを身にまとっただけ」のダンサーとして働いた。
その後、ハリウッドに進出するが、「夢の都・聖林」でも
肌の色ゆえに、スタジオの食堂に入ることを拒否されたり、
幾多の差別を体験してきた。
その彼女に冠せられたニックネームが「ICE BEAUTY」。
笑うと、白人社会に迎合しているようでいやだった、だから笑わなかった、という彼女であるが、
それさえもハリウッドでは商品化された。
第二次世界戦争の頃は慰問先の会場で、自分と同じような肌の色の兵士たちが入場を断られたり、立ったままみることを強制されたりしていることに抗議。ステージをおりてしまったこともあったそうだ。
彼女には白人の祖先もいて、
「アフリカ系よりは、肌の色が浅いセピア色」であるために、同じアフリカ系のひとたちからも距離をとられた日々もあった。
あの、公民権運動の先頭に立ったこともある。

亡くなって2年。
今夜は彼女の『ストーミー・ウェザー」を聴きながら原稿を書くことにする。