2011年9月19日月曜日

9月19日

長い一日が終わろうとしている。
「朝の教室」。小児科医の山田 真さんのお話が素晴らしかった。
フクシマの子どもたちのいま。そして、そこで暮らす大人たちのいま。
お年寄りのいま。隣人との関係性のいま。
穏やかな口調の中に、激しい憤りの炎を感じるお話だった。

朝の教室を終え、お昼を食べる時間もないまま、
パンをかじって明治公園に。
鎌田慧さん、大江健三郎さん、内橋克人さん、私、そして、
この日のためにリハビリを続けてこられた澤地久枝さんの順番で、
呼びかけ人の4分間スピーチ。
それからFoEドイツ代表のフーベルト・ヴァイガーさん、
ハイロアクション福島原発の武藤類子さん、俳優の山本太郎さんのスピーチが。
そうして、三つのコースに分かれて、「さようなら原発」のウォーク。
呼びかけ人は、明治公園から代々木公園までのコースだった。
無事、完走ならぬ、完ウォーク。途中、いろいろなかたと出会い、
言葉を交わしながらのゆったりウォークだった。

わたしは、以下のようなスピーチを。

こんにちは! こんなにも大勢のあなたに出会えたことに感謝します。
けれど、こんなに暴力的ないのちへの犯罪が、出会いのきっかけで
あったことを考えると、無念です。
この国は、なんという仕打ちをしたのでしょう!

ビートルズに「IMAGINE」という歌がありました。
想像してください。
子どもは、どの国の、どの社会に生まれてくるかを、
選ぶことはできません。にもかかわらず、その子どもたちに、
いまもなお、被曝させ続けているのです。

想像してください。
フクシマの子どもたちを。そして、この国の子どもたちひとりひとりを。
母親の胎内にいる子にも、です。
いま、この時にもです。
スリーマイル島、チェルノブイリ、そしてフクシマ。

想像してください。
今度はどこで? 次は誰が? という絶え間ないストレスと不安を
押し付けられて生きているのが、わたしたちの現実であることを。
放射性廃棄物の処理能力を持たない人間が、原発を持つことは、犯罪です。それは、いのちへの、人がすこやかに自分自身を生きていくことへの、国家的な犯罪なのです。
容易に核兵器に変わり得るものを持つことは、
恒久の平和をうたった憲法を持つこの国の、許容できない侵害なのです。

想像してください。
幼い子どもが、夜中に突然目を覚まし、「放射能、来ないで」と叫ばざるを得ない社会を。
わたしは、この犯罪に加担したくはありません。
わたしは、この人権侵害に、この差別に、加わることを拒絶します。

それでも想像してください。
今日の、この一歩が、反戦を反核を、
そして原発という呪詛から自由になることを心から願う、
すべてのそれぞれの、わたしの、
具体的な行動の、再びのはじめの一歩になることを。

核という、この強大なる脅威と暴力、組織的犯罪と対峙するには、
わたしたちはあまりにも非力かもしれません。
それでも、わたしは信じています。
何万人のひとびとが、今日ここに集まっている、というその事実を。
北の空。大間原発が見える海に集まり、
函館の駅に向かう北のひとびとがいまいることを。
日本各地で、この時間に歩き出すひとがいることを。
この明治公園から始まるウォークに参加するために
オーストラリアから帰国された、順子さんがおられることを。

世界中から、原発と核が消えるをわたしたちのゴールに、
まずは再稼働を止めましょう。
暴力に対して、わたしたちは非暴力を選びます。
それがわたしたちの、最大の、力なのですから。

わたしたちはあきらめません。
わたしたちは慣れません。
わたしたちは忘れません、目を逸らしません。
このウォークをけが人ゼロ、熱中症ゼロ、
むろん逮捕者ゼロで終わらせましょう。
明日からの日々に向けて、あるきだしましょう。

以上、一字一句記憶しているわけではないが、こんなことを話した。
今日を再びのスタートに、1000万人の署名を目指して………
今夜は眠る!
おやすみなさい。