2011年7月1日金曜日

7月1日

七月になった。
なんとも言葉で表現しようもない
悲しい七月だ。

ハンゲショウ、という植物がある。
緑の葉の大半が、白粉を塗ったように
この季節、白くなる植物だ。
半化粧、と漢字では書くのだろう。
いつものこの季節なら、ハンゲショウの
葉が白くなった、間もなく夕顔や朝顔の
蔓に支えを立てなくては、
と夏の植物と戯れるのだが………。

毎日放送が26日深夜に放映した映像’11。
その中で京都大学原子炉実験所の小出裕章さんは
次のようにおっしゃっていた。
参議院に招致されての話の中で、である。
原発事故の被害は、「大きく見積もるべきなのに。
政府も東電も過少に見積過ぎている」と。
いつになく激しい口調で、おっしゃっていた。
この福島第一原発の暴走に関してだけではなく、
原発のあらゆる事故は「過少評価」され、
場合によっては隠蔽されてきた。

3万人とも言われる故郷を棄てざるを得なかった福島の人々の日々はこれからどうなるのか。
そうして、「出ていくことも叶わなかった」人々の人生は。
また作付けできなくなった農家の苦悩は?
出荷停止にならずとも、「出荷できない」と
自ら判断した農家の人々のこれからは?
自主避難をした人々への「支援」は全くできないのか?
海開きを前にして、日本中の海に放射性物質は飛散していないだろうか?
体育の時間のプールは?
ほとんどが日本がはじめて体験することだ。
だからこそ、過少評価をしてはいけないのではないだろうか。
きちんと調査をして、精度の高い数値を発表するのが
政府の責任であるのだが………。
海開きができなくなるのではないかと困惑している
観光地も、しっかりした調査をして発表したほうが
信頼されるようになると思うのだが。

なんとももどかしい。