2011年4月11日月曜日

4月11日

『まるで原発などないかのように』(原発老朽化問題研究会・編、
現代書館・刊)を読む。
2年ほど前に購入し一度読んだものだが、いま読み直してみると、
本書の警告をもっと多くの人々が自らのものにしておいたら………。
と、無念きわまりない。

今回の東日本大震災のような、大地震や大津波に限ることはない。
「老朽化」した原発は危険極まりない。
あるいは、老朽化しなくとも、そもそも原発は何が可能なのか、
という基本の問いを、わたしたちに投げかけてくれる。

第一章 はびこりはじめた「安全余裕」という危険神話
この章を書かれている田中光彦さんはフリーランスのライターで
いらっしゃるが、九年間,民間企業で原子炉圧力容器の設計などに
従事された体験がある。
第二章 材料は劣化する-大惨事の温床
第三章 原発の事故はどう起こっているのか
第四章 中越沖地震と東京電力柏崎刈羽原発
第五章 東海地震と中部電力浜岡原発-運転差し止め一審裁判の概要
第六章 原発は正しい選択だったか

本書のタイトルが示すように「まるで原発などないかのように」暮して
きた多くのわたしたちにとって極めて重要な「いま」と「未来」を
示唆してくれる書である。